【ワインの銘柄選び】
ワイン銘柄選びのポイントは、 「ブドウ品種」「産地」「ヴィンテージ(収穫年)」「一級畑かどうか」など人それぞれ。味わいについても「香り」「渋み」「酸味」「甘味」など好みは分かれます。「ブドウ品種」も世界で200種類以上あるので、いろいろ味わって自分の好みのブドウ品種を見つけるのも楽しみのひとつです。
【ワインの健康効果】
ポリフェノールを豊富に含む赤ワインは、アンチエイジングに効果があり、肌や体の老化を遅らせてくれるので、体内の抗酸化作用、血圧降下、殺菌作用など多くの効果があると言われています。水代わりにワインを飲むフランス人は、周辺国と同じく肉やチーズなど動物性の食生活にもかかわらず、心疾患の患者が少ないというデータもあります。
また白ワインも、赤ワインほどではないがポリフェノールが含まれており、さらに白ワインに含まれる有機酸(オレイン酸、リノール酸など)が腸内環境を整えてくれるので、解毒作用、疲労回復、ダイエット効果もあるといわれます。
●最近の話題として、赤ワインに含まれる5-ALAというアミノ酸が新型コロナウィルスの増殖を防ぐことがわかってきました(出典 長崎大学 北教授チームの研究発表)
【質と価格の関係】
500円から数百万円まで価格帯に幅のあるのがワインの世界。どの価格帯を選べばよいか迷うところですが、1,000円前後と3,000円以上のものを比較すると味わいにかなりの違いがある一方で、3,000円以上になると価格と美味しさの関係はなだらかに変化する傾向があると言われています。ワインの世界では3,000円以上のものを選ぶのが満足感を得るひとつの目安といわれています。
【味わい方のポイント】
グラスに注いで、まず水面のエッジの濃さや垂れるなみだなど熟成度合いを目で楽しみ、次に香り(アロマ)を楽しみ、さらに口の中で味わい、最後にのどを通るときの味わい(複雑さ)を楽しみましょう。
ゲミシュターサッツとは
混植混醸、つまり複数品種を混植し同時に収穫・醸造した白ワインのことです。通常のブレンドとは異なり、各品種の見事なハーモニーと独特の深みが魅力となります。世界で唯一、首都にある商業ベースのワイン生産地域、ウィーン。現在も300軒ほどのワイナリーがある。その彼らの名物ワインがゲミシュターサッツ。約100年前、ワインの大半はこの製法にて造られた白ワインで、当時はウィーンが誇るワインとして名声を得ていました。60年代から70年代にかけて観光向けの大量消費用ワインが増えましたが、伝統の歴史あるウィーンの名物ワインがゲミシュターサッツです。
フランスのルイ14世が貴腐ワインの高貴な味わいに感動して発した「王者のワインにしてワインの王者」という言葉があります。貴腐ワインは、琥珀色をした濃厚な甘みと極上の風味を持つ高級ワインの一つで、主に食後のデザートワインとして楽しまれています。
【貴腐ワインとは】
貴腐ワインは完熟したブドウに貴腐菌がついて出来る特殊なブドウから作られます。果実の水分が蒸発してブドウの糖度が高まり、独特の香りが出てきます。貴腐ワインを製造するには特殊な条件があり、限られた地域でしか醸造されていません。生産量は不安定でわずかなものとなり、希少性が高いのです。
こうして生まれる濃厚な甘さと、言葉にしがたい芳香こそが貴腐ワインの特長であり、魅力でもあります。
高貴な風味は決してほかでは味わえないため、貴腐ブドウを使用して醸造されたワインは、希少性のある最高級の甘口ワインとして位置づけられています。果実の糖分や酸味を分解するため、果実に複雑な風味が生まれ、貴腐香と呼ばれる芳香を放つようになります。広く愛されている貴腐ワインは、糖度が高いため、ボトルを開けてからしばらくの間は冷蔵庫で保存できます。
【オーストリア名家クラッハーの甘口ワイン】
かのロバート・パーカーはクラッハーの甘口ワインを、一口飲む度に官能の世界に脳刹される「セクシーワイン」と評しました。
「アウスレーゼ」「ベーレンアウスレーゼ」そして「トロッケンベーレンアウスレーゼ」という名のつくワインは、必ずと言っていいほど貴腐菌(ボトリティス菌)が付着したブドウから造られます。この菌はブドウの実から水分を奪い、ブドウは干しブドウのように縮み、これによって糖分、酸と香り成分が凝縮されます。発酵の際に、自然に発酵していない糖分が残留します。1リットル当たり130グラムあるいはそれ以上の場合もあります。
同時に貴腐菌は独自の香り成分を発生させ、これが熟成したワインにおいてトーストしたパンあるいはパネトーネを彷彿させる香りとなります。貴腐菌の付着したブドウの作業には非常に繊細な感覚が必要です。
貴腐ブドウは理想的な瞬間に摘まなければなりません。ブドウは相当に縮んではいるが、揮発性の酸はまだあまり多く発生させる前の状態でなければなりません。このためには、ブドウの木を厳密にセレクトしなければなりません。このために「Auslese(精選)」という名が付いているのです。ゲルハルト・クラッハーは一つ一つのブドウの理想的な時期を捕らえるために、収穫の際には最高8回ブドウ畑を回ってブドウを摘んでいます。ウェルシュリースリング、シャルドネ、ショイレーベ、トラミナーそしてムスカット・オットネルといった、土地の個性をいかしたぶどうと国際品種のいずれもが、素晴らしい甘口ワインに仕立てられています。
【瞑想のワイン】
ヨーロッパではメディテーションワインとも呼ばれており、瞑想タイムのおともにしたり、仕事で疲れた心身を極上の甘さで癒すのも良いかもしれません。ゲオハルト・クラッハー曰く「ボトリティスと果実のフルーツが最高のハーモニーで一体したワイン。そして瞑想のワイン。休日の昼間ゆっくりと思いをめぐらせる。是非クラッハーのワインの世界を体験してほしい。」
ヨーロッパでは冬の飲み物として定番のグリューワイン(ホットワイン)。冬の冷え込んだヨーロッパの街角の屋台などでよく見かけます。ドイツ・オーストリアではグリューワイン(Glühwein)、アメリカではモルドワイン(Mulled wine)、フランスではヴァン・ショー(vin chaud)と呼ばれています。ポリフェノールが豊富なワインを60度ほどに温めて、ビタミンBが豊富な「シナモン」や、ビタミン補給になる果実など加えていただきます。
日本では大きくは「ラガー」と「ドライ」くらいしか区別がないですが、ヨーロッパでは実に多くに種類があります。大きくは醸造方法により、上面発酵・下面発酵などに分類され、その下に様々なビールに分類されています。
【上面発酵ビール】
比較的高温(20度前後)で発酵させたビールで、発酵中に酵母が浮き上がることからこう呼ばれます。8度ぐらいから発酵温度の20度程度で飲むのが最適だが、冷やしても美味しい。エール、スタウト、ポーター、ヴァイツェンなどがこのタイプです。
ヴァイス ヴァイツェン |
ドイツ南部の伝統的な上面発酵の小麦麦芽の白ビール(ヴァイスはドイツ語で「白」の意味)。酵母をろ過していないので、酵母が白く濁って見える。濃厚な旨みが特長で、ヨーロッパでは貴族のビールとも呼ばれている。バイエルン地方ではヴァイスと呼ばれている。パウラナー |
トラピスト |
国際トラピスト修道士会に認定されたビール。濃色な上面発酵ビール。ベルギーを中心に、オーストリア、オランダ、フランス等にも認定された修道院がある。ダークな色合いで、ビン詰めされた後も熟成が進むためアルコ-ル度数は強め。 |
アビイ |
修道院から委託を受けて一般の醸造所で造られる修道院ビールのことで、当然ながら味わいはトラピストビールに近い。レフ |
エール |
上面発酵で醸造される。大麦麦芽を使用し、酵母を常温で短期間で発酵させ、複雑な香りと深いコク、フルーティーな味を生み出したビールのスタイルである。エールのほとんどはホップを使用しており、ホップはビールの保存を助け、苦味と香りを与えて麦芽の甘味とバランスを取っている。 |
スタウト |
ローストされたモルトで醸造された黒色に近い色のビールで、ローストによる香ばしさと深い苦味が特徴。アルコール度数4~7度。適温10~20度。1770年代にアイルランドで生まれたエ-ル。ギネス社がアルコ-ル強化して、スタウト(強い)といって売り出したのが始まり。 |
【下面発酵ビール】
低温(5度)で発酵させたビールで、発酵の終わり頃に酵母が下に沈む製造方法で醸造。冷やして飲むと美味しい。 ラガーというのは下面発酵ビールの一般名称。ピルスナー、デュンケル、ボックなどがこのタイプです。
ピルスナー |
下面発酵ビールの代表で、軟水で醸造され、淡い黄金色をしている。きめ細かな泡、ホップの苦味とシャープな喉ごしが特徴。チェコのピルゼンが発祥で、ミュンヘナーもこのタイプ。アルコール度数3~5度。適温3~7度。ブドバー、オハラズアイリッシュラガー |
デュンケル |
ミュンヘン地区で作られる伝統的な下面発酵のダークビール。麦の甘味、ホップの苦味に加えて軽い口当たりのバランスがとれているビール。 |
ミュンヘンヘレス |
麦芽の風味が豊かな褐色ラガー。ヘレス(ヘル)はドイツ語で色が淡いという意味。ミュンヘンの伝統的ラガーはデュンケルだが、 チェコのピルスナーに対抗するため開発されたラガーがこのヘレス。北ドイツで人気のピルスナーと比べると、へレスはミュンヘンの伝統に従って麦芽の旨味と甘味が豊かでホップの苦味が弱めなのが特徴。 |
ボック |
ドイツのアインベックが発祥で、バイエルン地方で発達したビール。元は濃色だったが、最近は淡色が多くなっている。香りがとても強く、その割には苦みが少ない。 |
ヴァイスビールとピルスナービールを美味しく飲むために
【その他】
ラドラービール
サイクリングが盛んなヨーロッパでは、自転車乗りにビールとレモネードを50:50で割って提供されていたのが始まりとされています。ラドラーは「自転車乗り」の意味。レモン、グレープフルーツなどと割ったビールがあり、低アルコールなので爽やかな味わいが特徴。お酒があまり強くない人、カクテル好きな人にも人気があります。
ドイツのビール
国内のビール醸造所の数が、世界の3分の1にあたる1200社以上あり、種類は5000を超えるという、まさにビール大国。バイエルン地方など南部エリアでは麦芽の風味に富み、北部にいくにつれて麦芽よりもホップが強調されるような傾向があります。ミュンヘンの伝統的なラガーはデュンケルというダーク系のビールであったが、1890年代にチェコのピルスナーに対抗するために開発されたラガービールがヘレスビール。したがってミュンヘンのレストランで「ピルスナーください」と頼んでも「置いていない」と言われることもあり、「ヘレス」と注文しないと出てこないことがあります。
意外と知らない クラフトビールとは
最近日本でも人気の高いクラフトビールを明確に定義するのは難しく、あえて言うなら小規模な醸造所で職人がこだわりを持ってつくっているビールの事を指します。「手工芸品(Craft)」に例えられた呼び名で、最近では日本でも地ビールをクラフトビールと呼ばれることが多い。本場のドイツあたりでは、醸造だけでなく、ホップや大麦などの原材料までも自社の畑でつくるほどこだわったビールがクラフトと呼ばれています。
スピリッツはお酒の世界では蒸溜酒のことを指します。蒸溜酒はビールやワインよりも新しい酒で、広くつくられるようになったのはおそらく11~12世紀頃からといわれています。
蒸溜酒は、醸造酒を熱してアルコールを気化させ、さらにそれを冷却して液化させ、もとの醸造酒よりもアルコール濃度の高い液体にしたものです。簡単にいえば、ビール状のものを蒸溜すればウイスキーに、ワイン状のものはブランデーとなります。
蒸溜酒は高温で熱してつくる火の酒であり、火の酒は人間の魂にはたらきかけ、肉体を目覚めさせ、また活力を与える。だからスピリッツとよばれるようになったとのことです。
ヨーロッパでは中世になってから数々の蒸溜酒が生まれ、フランス、イタリア、スペインなどのブランデー、オランダのジュネヴァ(ジン)、ロシアやポーランドのなどのウオツカ、北欧のアクアヴィット、ドイツ、オーストリアのシュナップス、アイルランドやスコットランドのウイスキー、その後カリブや新大陸に伝播したラムやメキシコのテキーラ、など、さまざまな土地で個性的な香味のスピリッツがつくられています。
HOME
BEER
WINE
OTHER
ABOUT